2009年10月29日(木) 22:23

EUはチェコにリスボン条約の例外条項を保証 (第二報)

AFP

EU首脳会議はEU改革リスボン条約発効の大きな障害を取り除いた。EU各国首脳は木曜日の晩ブリュッセルで、チェコの要求する例外条項を認めることで合意した。EU首脳会議はこれにより、条約の批准署名を唯一拒んでいるチェコのヴァーツラフ・クラウス大統領の要求に応じた形となる。

「チェコの例外条項について合意に至った」と議長国スウェーデンは伝えた。チェコ政府の広報官もこの合意を発表した。クラウス大統領は首脳会議の前、リスボン条約ならびに条約によって法的効力が与えられるE憲章が第二次大戦後にチェコスロヴァキアから追放されたズデーテンドイツ人の財産返還要求に道を開くことのないよう、EUに対して保証を求めていた。

チェコは加盟全27ヶ国中条約を批准していない唯一の国である。そのため、EUの一層の民主化と効率化をはかるリスボン条約はいまだ発効に至っていない。チェコの憲法裁判所は、11月3日に上院議員グループの違憲提訴についての判断を行う意向である。その後はじめて大統領の署名が可能となる。

クラウス大統領はブリュッセルの首脳会議には出席しておらず、要求が満たされたならば条約の署名をこれ以上引き延ばさないと会議の前に示唆していた。

チェコを含めた例外条項は、おそらくクロアチアが新規加盟する二三年後の次期EU拡大の際、すべてのEU加盟国の批准にかけられる見込みである。

リスボン条約はEU常任議長(大統領)と外交上級代表の創設を定めている。この重要な人事案件は11月中旬の臨時EU首脳会議で決定される見込みである。

しかしすでに今回の首脳会議で人事に関する白熱した議論が行われた。イギリスのトニー・ブレア前首相のEU常任議長任命案に対しては、大きな反対陣営が形成された。ベネルクス三国やオーストリアなどの小国はブレア候補に異論を唱え、ユーロを導入し国境を共同管理するシェンゲン圏に加盟している国から候補者を出すよう求めた。スペインのホセ・ルイス・ロドリゲス・サパテーロ首相も「私は真の欧州統合論者を常任議長に望む」と語った。

原題:EU garantiert Tschechien Ausnahmeklausel bei Reformvertrag




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